~全くの未経験分野~渓流釣りに挑戦~実践はどうだろうか?~
(釣行記は真面目な文体で書いております)
遠征友の同行者1からのかねてからのお誘いで初の渓流山行釣りに向かうことになった。
実はワタクシは意識的に天然渓流魚を避けてきた。希少な魚を釣るのに少し抵抗があったのと解禁日のラッシュや細い沢での先行者との兼ね合いなどといった気苦労、居住地から渓流までの遠さという敷居の高さ、渓流魚を釣るには本格的登山のような源流行をしなくてはいけない気がした。
そんなこんながが遠ざけていた理由である。そして海より山の方が怖いことが多い気がした。実際にはどっちも怖いが。
しかし今回このブログ立ち上げを機に「色々な未経験の釣りにも挑戦したい!」という気が沸き上がってきた。また内地引き上げにて心身ともに衰えた自分にも喝を入れたい。
前日は何度も荷物を入れなおした。峠越えと沢道を上る道程、そして案内してもらうからには少しでも足手まとい要素は減らしたい。
しかし当日朝スマホの充電をし間違えてがっくし。この釣行ではスマホが特に大事。登山用アプリを使用するし山中で泊まるのでバッテリーを持参するにしても満タンにしておかねば。
そんなこんなで少し遅れて出発。
一応GW直後の平日だが渋滞が読めず。少し遅れる旨を同行者1に連絡。
しかしここの所、磯大物ルアーをする人達の渓流傾向が上がっているように感じる。何故だろうか。ときめくポイントが似ているのかもしれない。
この渓流行に対して色々準備をしてきた。
中古であるが登山用の35Lのザック、渓流用を意識したウルトラライトの5.6ftのロッド、渓流用のミノー、ヤマメ用の仕掛け、コンパクトストーブなど。
釣り具はルアー用と餌用の物。
詳しくは別ページにて。
[blogcard url="https://remember-fish.blog/ountain-stream-fishing-preparation/"]
いや一番準備すべきは体力だ。
彼の家の近くで同行者1を拾う。一昨年の沖磯ぶりに再会。LINEなどで連絡は取っていたが相変わらずである。近況などを話し合いながら目的地へ向かう。もちろんこんなご時世なので他者とはほぼ関わらずに、である。立ち寄ったSAには多くの人、足早に立ち去る。
目的地の駐車場には数台しか止まっておらず道中もトレイルランニング的な登山者1人だけであった。しかしネットの情報によるとGW中はそこそこな人が入山し、釣り目的の人もかなり入ったようだ。同行者1は楽観しているがどうだろうか?
同行者1は単独だと釣りのベース地点まで2時間で行くとのこと。しかし今日は3時間を超えて到着である。滝のように汗が出る。峠付近ではえらく冷えたり荒れ気味の登山道で脚を挫きかけたり。息も絶え絶えで着いていく。これを日帰りするという同行者1はかつての野生児ぶりを取り戻したなぁと思う。
目的の沢は本来別ルートで気楽に行ける場所であったが崖崩れや崩落により通行止めとなり山越えルートでしか辿り着けない場所となっているのだ。工事は行われているようだが大規模な崩落現場を見ると開通はかなり先になるだろうと予想される。
さて本日の宿営地に荷を解いたところで釣り開始。結局16時過ぎになった。
ふと河原を見ると河原にはビブラムソールの足跡がいくつも。GWで叩かれまくっている。厳しいのではとの予感的中。しかし渓流釣りはほぼ初なので新鮮である。しかし渓流魚のノリが分からない。どこで餌を待つのか流れ具合はどういうのが好きなのか。
沢を渡り立ち込んでみると水は切るように冷たい。防水ソックスではだめだ。せめてゲーターを持ってくるべきだったか。靴は滑らず対応してくれている。
1投目に出た?ヤマメの子。こういった魚に偶然のスレ掛かりは起こりにくいと思う。子供同士でも共食いしているのだ。「おかしいなぁ、叩かれてますね」を呟きつつ釣り登る同行者1。
日が暮れかけてからやっと時合か。何匹か同行者1が釣り上げる。サイズ的には不満そう。
.暗闇が覆い尽くすまで粘る同行者1。ワタクシにはもはや仕掛けは見えず。9時19分頃上がり。森の中には光る目が。木立の間に鹿の群れ。人を見ても逃げない。同行者1が駆け寄るとゆっくり退散。木陰にはモモンガが。初めて見た。
流石に夜になると冷え込む。避難小屋にて休みを取ることにした。
ちなみに同行者1は泊まりで来る時もお湯を作る物は持参せずお酒を飲み寝てしまうとのことだ。そして蛾を恐れるとは不思議なことだ。
食う時はがつっり食うのに釣りのためなら粗食でも耐えられてしまう同行者1は重度の釣りキチであるし生物としても強いのだろう。夜半過ぎ小屋周りの音はまるで人が近くにいるかのよう。島の森で過ごすよりある意味怖いかもしれない。同行者1はこの世のものでないものを恐れ、ワタクシは不審者を恐れている。
深夜、少し冷え込んできた。同行者1のイビキで、寝付きが悪い(笑)耳栓を持参したことを思い出してやっと寝れた。足の張りやくじき具合がちょっと心配。明日の天候の崩れ具合も用心せねば。持参したラジオも不明瞭であるので最新情報がわからない。
四時起床。二度寝。気温はおそらく7度から8度くらいか?微妙に寒くライトダウンを着る。同行者1に支流の沢に降りる場所を教えてもらって別行動。彼はさらに上の沢に向かった。
まずは朝食。暖かいもので体の中から温める。同行者1は飯なしで出発して行った。
宿営地近くの沢を釣り登る。今日は餌釣りだけで攻める。釣れるイメージが持てないのでどこがどうだか?としらみつぶしに流す。すると竿先に生命感。スッと竿を上げると魚体が泡の中から現れた。
イワナである。ここには残っていた!と小躍り。嬉しい。渓流で初めて釣ったイワナ。堰堤まで釣り登ったところで下まで戻りまたさらに合流点から釣り登ってみた。
あっ!今度は黒めの個体。
鰭がピンとした個体。これで3匹め。同行者1が言っていたような良型個体は出なかったがワタクシにはこれで満足。ボウズも覚悟していたのだ。
上に向かった同行者1と落ち合うために途中まで川沿いの林道を登る。道端には鹿の骨、鹿のフン。なぜかダムの警報の看板が沢山ある。
道が整っていれば人がそこそこ来るだろう景観だが色々なことが重なって人の来訪を制限する場所。至る所に動物のフンがある。自然は容易に人の痕跡を飲み込む。
同行者1と沢の合流で待ち合わせ。早く着いたので堰堤の上にて仰向け。
「自然は良いのだが人工とは人の居心地を追求した物であるから街の方が楽に過ごせるなぁと」物思いに耽る。すると空からゴロゴロ、雨粒もぽつりぽつり。天候変化が早まったか。河原を降りてきた同行者1。沢の上流まで釣り人と思われる足跡があったとのことで小さめのヤマメが2匹だったとのこと。まだ釣りをしたいようだったが早めに下山するよう促す。道中聞いたところによるとこのエリアは雷が多い場所だそうだ。危ない。改めて山は怖いなと思う。
下山は今いる沢から一度峠を登ってから下るルートとなる。登りは短いが落差のある沢,堰堤、渓谷沿いの道を上る。木の細めの橋や花崗岩砂利の小道に緊張と疲労を感じつつポツポツ登る。気を付ければ大丈夫だが人間の行動に絶対はない。足を滑らせれば無事では済まない高さ。やはりヘルメットを持参すべきだったか。そして峠にて小休止。同行者1は道中鳴いている鳥や、カエルの解説をしてくる。そこまで鳥にときめきは無いのだが。アラームみたいな鳥の声もあり。小さな穴には縄張りを示すかのように狸のフン。
峠からの下り。沢が道というルート。雨が強いと危険なルート。足の痛みもあって慎重に下るワタクシ。歩けなくなって迷惑をかける事態になってはいけないのである。ここにきて靴が厳しく感じる。いやワタクシの足首の弱さか。
このルート時折道が見えなくなる。河原を歩くためか崩れて直してを繰り返した沢沿いの道のためか。こりゃ1人なら迷う人が出るのもわかる。
何とか下山。思わずガッツポーズ。安堵する。
昨日より若干早く下山することはできたが平な道を歩いてもいちいち挫いた足が痛い。帰り道、また行きましょうと同行者1は誘ってくるが遠慮しておいた。体を鍛え直さなくてはいけないがギリギリはよろしくないな、と。ワタクシも老いたか?老いとは気持ちから始まるのかもしれない。
下山して同行者1の奢りでラーメン。がっつく。店には人工的な匂いがたくさん。下界は雨が降り始め、同行者1を送り届けて帰宅。疲れた。ワタクシ的にはまぁまぁな結果。尺上など釣れなかったのが逆に渓流山行に魅入られなくて良かったかも。ちょこっと散歩するのは楽しそうだが何十キロもあるザックを背負って何日も危険な山を歩く登山家達はマゾな超人達なのかもと思ってしまう。テレビではGWに山で遭難した人達のニュースが。山は怖いな。
足をアイシングしてサロメチールを塗って就寝した。明日に痛みが引いていればよいが。
ここ数日この渓流山行に備えてきたがルアーロッド5.6fが2ピースが今回のコースでは道中いちいち木に引っ掛かった。選択が難しい渓流山行のルアーロッド。また延竿も軽くてハリのあるものが釣りやすいことを痛感。行く前は理解できなかったがふと苦労してたどり着くポイントだからこそ綺麗な装飾の竿で綺麗な魚に臨みたいと思うのかも知れないような気がした。個人的には性能第一、不要な装飾による過剰な価格反対派ではある。
閑話休題。
今回の渓流山行は一般的な渓流釣りの中ではややハードな部類に入る道のりだったと思う。当然源流行からすればかなりライトではある。しかし人が簡単に行ける場所に魚はいないのである。
ともかく案内してくれた同行者1には感謝である。