離島移住記②2019年3月の小笠原母島 【離島大遠征?】
本編開始です!3月の母島は肌寒い!ここまで肌寒いとは。不安もいっぱいなスタートです。
※本編をお読みになる前に注釈にお目通し推奨です。https://remember-fish.blog/emigration-preambl/
3月16日
出発の日。曇り。家の前で父と記念撮影。ずっと二人暮らししてきた父。わがままを言った。元気だが年老いた父を置いていくのだ。ひどい息子だ。父の事は2キロほど離れた姉に気を掛けてもらう様頼んだ。荷物は先にいくつか送った。ロッドは前日のうちに竹芝のロッカーに置いておいた。スクーターで担いで運べる大きさでなかったので。しかし手荷物ギリギリまで迷う。状況を見て追加で送ってもらうような荷物も準備しておく。リスクは分散しようということである。
そして出発。寒い中ギリギリの凍えで港を目指す。竹芝桟橋の手荷物受託所にはスクーターの人もう1人。離島ハンターのようである。島まで125cc持ち込み代金11550円くらい。
船は定刻出発。
いつもの遠征のようなワクワクほっ、ではなく。不安もざっ、ざっとよぎる。二等和室では近くのイギリス人と日本語で話す。乗船したらカップラーメン+酒。八丈を過ぎたあたりで軽く船酔い。酔い止めを飲む。ドック改修を終え、船は少し改良されていた。自販機の部屋には電子レンジが付き、船のメイン食堂の会社が変わり。電子レンジ設置はでかい。
3月17日メアジ
さて家を出てから24時間、父島に到着。それなりの気温。海は小ウネリ。いつもならトキメキだけだけど今回は身が引き締まる。さらに2時間。
やっと母島に到着。と言っても勝手知ったる母島。すでに何回も足を運んでいるのだ。
ここで暮らすのだ。到着したら天気は曇り。しかし集落内は意外と知らない道もある。
荷物や部屋の準備は先輩方が中心となって準備してくれていた。基本的な家具はすべてそろっている。良かった。シーツもある。
しかしのんびり休んではいられない。自炊のみなのである。コンビニ、弁当屋はないのだ。今日は入港日。
入港日はとても大事。買い出しと鍋などを買いに行く。洗剤なども。島の知り合いにも挨拶。
買い物終えて、釣り。
風強め。肌寒い。とりあえず釣竿持って浜へ。島の釣り友とすれ違う。メアジが釣れてくれた。ミニジグ+強めのアジングタックル(←これの旧型)にて。このメアジが移住初の魚です。
脇浜真ん中あたりでカンパチらしきボイルもあり、島の釣り友はルアーでねらっていたようだ。。その島の友人と話す。送別会+仕事でかなり忙しいらしい。色々悩みは尽きないようだ。島の3月はそういう時期なのだ。
3月18日
屋久島のI様の影響で水温測ることにする。20.2度。初仕事。先輩についてゆく。昼、手続き、買い出し大変。
川沿いのフェンス工事。先輩指を切る。前職の癖か血の気配に敏感。怪我に気をつけねば。サンダーを使い切るの大変。同寮の2人ほとんど話さない。心細い。
材料が限られる飯の内容に迷う。口内炎は食事バランスの乱れ。野菜を買わねば。
3月19日ホウセキキントキ
水温測り忘れる。早朝ミニGT、つまりメッキかけるもバラす。アジング竿を踏む。仕事は少しなれる。先輩が竿直してくれるという。なんでも直してしまう島の人。恐縮である。業後浜へ。2回ほどボイルあるもダメ。メアジ五匹ミニジグで釣る。昼間にボイルあったとのこと。買い物の時間考えねば。回遊魚は明るい時間でないとダメなのか?。メアジ用にフライ食材を買う。食べるかどうかは未定。見た目は美味しそうなメアジであるが、あまり味がない。暗くなりキントキ釣れる。メアジ時合終了のサイン。
3月20日
今日の水温、20.2度。行こうと考えていた磯は雨のため中止。焦らず行こう。風が強い。昼を境に西風がビュービュー。定期船が帰る日なのに厳しそう。春先は海が荒れるのだ。今日はハムと椎茸の卵とじ。と、野菜。野菜が美味い!体は野菜を欲している。
業後に先輩よりお誘いにより磯へ。道は比較的はっきりしており、しかも良さそう。海況はウネリが入っており厳しかった。素足で履いた大同スパイクが滑る。しくじったな。名品も取り扱いを間違えばだめだ。あと金属の中敷きを入れると快適さが増す。港内も今日は濁ってダメだが毎日極力海を見ることにする。海を毎日見れる生活。これに憧れていた。
3月21日
今朝の水温20.2度 壊れてるのかと気になるものがどうも正解みたい。昨日の磯の筋肉痛あり。まずいな。違う現場。掘るスピードはやい!掲示板にお亡くなりになった人のお知らせが。40代とお若い。島の掲示板は重要なお知らせもあるので要チェックである。
先日踏んだ竿治していただき受け取る。すこし液はみ出てるが。使用に問題なし。明日使ってみることにする。午後は脇浜へ。メアジは多い。それをエサに泳がせするもカンパチすれ違い。サメ一匹。
夜はレトルトカレー。一番安いやつだが美味い。サラダも食す。食事内容意識せねば。
3月22日タマン
水温20.2度今日は4時半起きして釣り場へ。先客あり。海静か。戻って白灯台へ。アオリイカ一匹とのこと。ラピード動き良い。しかしメアジの姿なし。仕事、午後は新たなメンバーとの現場。ご高齢だが経験値とパワーがすごい。これが島で生きるということなんだな。ワタクシは握力も落ちてるし足腰の疲れも溜まっており踏ん張りきかない。体力のなさが情けない。しかし仕事を通じでこういったことを改善されると釣りにも生きるだろう。まさか筋力が落ちる病気だったらどうしようなどと要らぬ心配。業後はルアーメインで釣り。しかしメアジはいない。正確には見逃しているのだろう。群れの動きを追えていないのだ。今日は早めに釣りを上がり社協(シャキョウ、正確には母島村民会館内の社会福祉法人小笠原村社会福祉協議会のことである。図書室や会議室、小体育館リサイクル品場所などがある)にてリサイクル品を購入。
荷物を実家から送ってもらうのを伝えるのにに難渋。荷物には番号を貼っておいたのだがやはりLINEの文面では無理か。食後直してもらった竿の試しに港へ。バランスややヘッドダウンも問題なし。アジングワームでちびタマンが釣れた。嬉しや嬉し。夜の港はちびタマンがいっぱいなのだ。
3月23日アオリイカ
曇り。水温20.9度。今日はコンクリー関係からの草刈り。昼休み、港を見に行くとイカ。寮に戻りエギングタックル持ってきてイカを釣る。ちなみに小笠原の昼休みは長め。ワタクシのいる会社では11:30~13:00までである。
そして業後は買い出しのち釣り。メアジ時合いも大型魚なし。偉くごっついGTロッド零式を持った遠征の若者がいたので「ガチですね!」、と声を掛けてみる。彼らはT大釣り研の遠征2人組とのこと。渡船で沖磯に出たいが明日は厳しそうと言われたのこと。春休みなのだろうが早春の母島はうみがおちつかないのだ。
入港日の買い出し、不安もあるのかたくさん購入してしまう。野菜などはきびしくなる。もやしがすぐ痛むので気を付けるようにと島釣り友のアドバイス。しかし定番のもの揃えば購入ラッシュも落ち着くだろう。
3月24日ヤガラ
今日は日曜日で休み。我が社は週休1日制(厳密には週休2日で1日は休日出勤扱いなのだ)「小笠原は良くも悪くも昭和ですよ」、とかつてオガ友に言われたがこういうところもそうだろう。民間企業の中には週休日の企業も多いし、入港にあわせて動いているところもある。
今朝は先輩のお誘いの元、磯をめざす。なんとか釣りできる波高。
しかし音沙汰なし、水温低くなった感あり、北風冷たい。すこし場所は覚えつつあるが遠征でポッと来て安全な道を見極められるほど甘くない。遠征で地磯に行くのはやめておいた方が良い。来るべきシーズンについて語りつつ帰寮。
昼食してから一眠り。夕方は灯台のところでメアジでの泳がせ。全てサメにとられる。メアジも不漁で振られる。夕飯不作。昨日の遠征の2人と連絡先交換。うち一人は四月からバイトで半年住むそうだ。(のちの留学生)彼はもくもくとキャストを繰り返していた。ならばと渡船メンバーに勧誘しておいた。
3月25日
今朝の水温18.8度。これはさむい。気温もぐっと下がる。持ってきた防寒着では少し足りない。生活するのに少し大変な島。仕事も限られている。
まだ会社以外の一般島民とは話しておらず。これで良いのかも。焦らず行かねば。そこまで人懐っこい感じではない母島の島民。
仕事は年度末を控え仕上げの段階。公共事業である。新人のワタクシにはあまりやれることないが細かなことにもコツどころがあるのはどんな仕事でも一緒。できる範囲の事をしていこう。
業後港へ。昨日と同じ遠征学生二人組と釣り。若者らしい無茶っぷりも面白い。先輩来る。先輩も相当の釣りキチだ。1830メアジ時合。泳がせするもサメ。大物対応用のリールのライン巻き替える。
3月26日
今日の水温20.2度、晴れだが天気予報は暴風雨の予報。内地のように天気予報あまり当たらない気がする。海洋性気候というらしい。灯台へ釣りに行く。遠征学生あり何かかかったとのこと。わたくしはピュンピュンベイトタックルでルアー。音沙汰なし。
仕事はコンクリ打設。あまりできることなく、いていいのか?と内心苦笑。焦りはしなくてもよいと思うのだが。
ふと島ではやっていけないかなぁとなんとなく思う。
しかし釣りのスキルアップするにはよい環境。気張らなくては。この時期の島の海は天候海況がコロコロ変わる。仕事終わりに天気乱れる。
仕事後に先輩の自作ルアーの失敗作を譲り受け、改良。色々サポートして下さり、感謝。最近はルアーの自作を始めたとのこと。すでにイメージしている動きがある様子。おもりの調整で苦労していた。先輩より鏡もらう。鍋も会社の倉庫から発掘。少しづつ生活環境整備。
夕食はメアジのフライと戴いたカンパチの焼き物、逝きかけのもやしの味噌汁。いずれも旨し。間食しないで三食だからがつがつ食う。
3月27日
本日の水温、19.4度くらい。またもや低め。肌寒い。
業後は向こう堤防に挑戦も大テトラで挫折。以前は行けたのだがめまいの病気を一度してから自分の平衡感覚が不安だ。しかも波被ったのでさぶい。結局灯台のところへ。地元の方がイカファイト中。島移住後初めてアオリイカ1キロオーバーを見た。海況上向きかも。夜はレトルトでないカレー。まあまあ上手くできたか。少量で作るのむずかしい。
3月28日チギ
本日の水温19.4度。気温も16度。さむい。朝釣りに行く気起きず。
今日は海ごみの回収引き揚げ。島の名物人の一人が海岸のごみを集めて集積しているのだ。それを村から依頼されて背負子で背負って人力で道まで引き上げる。土嚢(堤防決壊などで見る大きな土嚢)が10個以上になった。母島は海流の影響でゴミが漂着しやすいそう。「本当に海にゴミ捨てるな、綺麗にとしてくれよ」、思う。それらを大型トラックでリレーセンターに運ぶ。そこで折れたロッドの残りガイドゲット。資源回収の古本もいっぱいある。引っ越しシーズンだからかな?リレーセンターはゴミの集積場所であり船でお隣の島に運んで焼却なりを行うのである。生ごみは地中に埋めて肥料化を目指しているらしい。
業後は先輩と難関釣り場へ。釣り座自体は良い場所だが行くのが大変。タックル構成は10000XGで6号の140lbナイロン。時期的にそこまでデカイのはでないという予想と飛距離、体への負担を考慮してである。
地磯で初魚。チギが2匹釣れてくれた。ご苦労さん的に釣れてくれたか。貰った失敗作改良ルアーでバイトあり。もう少し重いと良いのだが。先輩はなんで釣れないのかと少し落ち込み気味。やはり水温なのだと思う。安定して20度を超えてくれないと魚は出ない気がする。
帰り道はGPSアプリが役に立った。山道きつい。集落では先日掲示してあった方のお別れ会をしている。若い人の癌は手遅れになりやすいものなぁ。
食後父に電話して釣竿を送ってもらう。LINEのテレビ電話も駆使して竿を見つける。顔を見ると何故かお互い笑ってしまった。少しホームシックだ熟考した上での離島生活なのだ。移住とは言い切れないお試し移住であるが。しかし家族は良いものだありがたいものだ。
3月29日
今日の水温21.2度!
水温が上がった!イカも釣れだした様子。
仕事は草刈り。なんにでもコツがある。免許証の住所変更。村民の証明になるよう。これで定期船安くなる。(マイカードの住所変更忘れたのが痛い)
島にきてはじめての給油。4.7リットルにて1,005円かな?まあ知っていた範疇。
入港日にて、買い物、二千三百円くらい。港でひとりゼリーを食べてると先輩に声かけられる。心配されたか。
ひと段落してメアジ釣り。アジングタックルで六匹揃えるもラインブレイク多し。こまめに変えないと。
せっかく海の近くに住めたのだから海のことをもっと理解したいと思う。
帰宅後荷物届く。食料品いっぱいの段ボールに家族の思いやりを感じる。しかし長ネギは無理だった。使えそうな所刻んで冷凍してみる。
3月30日
今日の水温22度!曇り、霧。朝は寝坊してルアーのスイムテスト。コノシロパターンのルアーがいい感じ。パッケージにマグロとっあった気がするが大物に使えるだろうか?
前回の遠征時にお世話になった釣り名人と、やっと再会。嬉しい。
仕事は集落内の法面の草刈り。足場きつい。磯たび(大同スパイク)必携。
業後はイカ釣り、自分で直したエギングロッドは破損。そんなもんである、とほほ。先輩にメアジを差し上げる。これでサメを釣り畑において腐らせハエを呼びマンゴーの受粉に使うとのこと。サメをサクッと釣りあげておろしてお持ち帰りしていった。ワイルドである。
隣には釣りをする人。ワタクシより少し前に島に移住してきた方。隣の島にいてこちらに移住してきたとのこと。ワタクシは移住とは言えないな?とりあえず住んでみましたとお伝えした。
3月31日ヒレナガカンパチ
水温22.6度。雨が島に来て初めてまともな雨が降った。
朝、先輩と地磯に行く予定であったが急遽辞退。雨が降る予感がしたのだ。自分の予感もなかなか。それでも先輩達は磯に向かったが。
すると先輩がやってくれました。
カンパチ11.7キロ!ストライクプロにてとのこと。カラーは不明。
やられたー!行くべきだった!さすがである。
雨はそれなりに降ったがダムの貯水率は少しは改善するだろうか?(このころ島の貯水量が枯渇しかけていてやばかったのだ)
予定していたアルバイトはお休み。先輩のお誘いで午後イチでカヤック磯へ挑戦。しかしお目当はウネリがあり渡れず。東港へ変更。ここは離島。島に海上保安庁も駐在していない。安全は自分で管理しないと簡単に死ぬ環境である。
ここも、やや波があり。なんとか上陸し磯釣り。
先輩にチギか釣れたのみ。持参したメアジデットでも掛からず。しかしカヤックの感じや疲れ具合など勉強にはなった。力を込めずに軽くすいーっとかくのが良い。SUPと違うな。しかしカヤックを運ぶときグローブを変な風に滑らせて手を痛めたか。グギッとしたのが残る。(のちにこのグギがばね指になりワタクシを悩ませるのであります)
続く!!